デュオとはあれから会っていなかった。

デュオもルシアもシエルもあのあとすぐに会場を出て行き、わたしは一人で会場に戻り、無事に婚約発表のパーティーを終えた。

パパも神藤社長もとても喜んでいたけど、わたしの心は晴れなかった。

デュオのことは好きだけど、デュオにはルシアという恋人がいる。

デュオにとってルシアはヴァンパイアとしてのエナジーを高めてくれる最高の相手だ。

人間とヴァンパイアの血が中途半端に混じっているわたしは、デュオの強いヴァンパイアエクスタシーの入ったキスを受けるだけで精一杯だし、血を与えることもできない。

今のわたしには、デュオとはキス以上はできないんだ……。

デュオは今もルシアと……?

そう考えると、嫉妬で気が狂いそうだった。

……わたしは、デュオを忘れるために結婚しようとしているんだろうか…?

思わずそんなことを考えてわたしは頭を振った。

わたしはかずちゃんのことも好きだったんだもん、ずっと前から……。

「花恋。今夜の夕食は豪華版だからね。父さんが帰ってきたら3人で食べよう。それまでは疲れてるだろうし、ゆっくり休んで」

かずちゃんはわたしの肩に手を置くと、わたしの額にキスをして2階の少し離れた自分の部屋へと帰っていった。

「……かずちゃん」

わたしはバックを置くと、そのままベッドに横になりうとうとと眠りについた。