ヴァンパイア†KISS

燕尾服を着たウルフガングと、雪のような白が鮮やかな純白のドレスをまとったエマ。

ウルフガングは中央で歩みを止めると、

「私と踊っていただけますか?」

と、エマの手の甲にキスをした。

ヴァンパイアたちがざわめく中、エマが戸惑った表情を見せると、

「私を信じて、エマ」

と、真剣な眼差しでエマを引き寄せた。

「……ずっと、信じています。ウルフ」


その時、デュオが先に潜入していたルドルフに指示を送る。

「『皇帝円舞曲』をかけろ」




しんと静まり返った「ヴァンパイア・キス」で。

その曲が小鳥のさえずりのように静かに始まりを告げると、

愛し合う二人は、お互いを信じ、運命の出会いを分かち合うように、

――――ホールドした。



ウルフガングが一歩踏み出すと、エマの美しい金糸が光のように揺れる。

エマが白のドレスを鳥のように舞わせると、ウルフガングが美しい銀髪を風に揺らす。


曲が壮大さを増すとともに。


彼はエマだけにその麗しい視線を向けると、軽やかに鳥のようなステップを踏んだ。

エマは彼を見つめるだけでよかった。

彼を信じ、彼を愛する。

それだけで、二人のステップは何物にも変えがたい甘美な空気を漂わせた。

「……皇帝だ……!」

「…皇帝と女王がいるようだ……!」

口々に歓声が沸き起こった。