ヴァンパイア†KISS

乱れた金糸の巻き毛。

天を仰ぐように垂れた首。

空ろな瞳。

全ての力が抜けたようにダラリとうな垂れた全身。

何もかも忘れてしまったかのような表情。

エマは白のドレスを乱しながら、ウルフガングの後ろの床に座り込んでいた。

「………エマ!!!」

ウルフガングは一瞬で何が起こったのか悟った。

彼はエマを強く抱きしめながら天に向かって叫ぶ。

「……どうしてだ、エマ!!なぜ、なぜ私をそれほどまでに!!……私は、お前の笑顔がないと、生きてはいけないのに!!!」

その時、天を仰ぐエマの瞳からひとすじの涙がこぼれ落ちた。

「エマ…私の声が聞こえるのか?」

だが、エマはその表情を全く変えることもなく、ウルフガングを見つめることさえできずに。

ただ人間として、涙を流した。

ウルフガングはそれを見ると、意を決したようにエマをベッドへと運んだ。

そして無表情のエマをベッドへ寝かせると、その上に乗り上げた。

「エマ……許してくれ。私は君の笑顔を取り戻したい…!」

ウルフガングは首にかかる十字架をはずすと、

「神よ、私にはこれをする資格はない。この世で最も美しい人をヴァンパイアにするのだから……!」

そう祈るように天を仰ぎ、そして一気にエマの白のドレスの胸元を引き裂いた。