その夜、デュオのもとに、エマの娘がカーラによってさらわれたという知らせがブルースよりもたらされた。
デュオはいっこうに目覚めようとしないウルフガングをどうすべきか迷っていた。
日に日にウルフガングのオーラは弱まるばかり。
試しに、ヴァンパイアのエクスタシーで甦らせようとヴァンパイアの女にくちづけさせたこともあった。
しかし、そのパワーが強まることはなかった。
(……おかしい。普通のヴァンパイアなら、ヴァンパイアのエクスタシーを与えればパワーが強まるはず。だが、ウルフはそれを無意識に拒絶しているように見える……)
デュオは何かを思いついたように腰を上げると、ウルフガングを棺おけに入れ仲間とともに運び出した。
「エマ様!!デュオ様がここに!!」
「え!?」
エマはこの地下牢にデュオが初めてやってきたことに驚いた。
そしてさらにエマに驚きを与えたのは……。
ゴトンと置かれた金色の十字架がそのフタに埋め込まれている漆黒の棺おけに、
エマの愛するその人が横たわっていた。
「……ウルフ!!」
ウルフガングは眠っているようにその瞳を閉じていた。
「ウルフ…ああ…生きていた!」
エマは涙を堪えるように唇をきゅっとかみ締めるとウルフガングを上から抱きしめた。
「エマ、娘は差し当たって殺される心配はない。カーラがガイアへ連れて行ったとの情報も得ている。そのことは私がなんとかしよう。だが、ウルフのことは、私にはどうにもならない。悪いが、ヴァンパイアの女にくちづけをさせてみたが、どんなエクスタシーでも効果がないようだ」
「デュオ…?」
エマはデュオが何を言いたいのか呑み込めず彼をじっと見つめた。
「……つまり、ウルフが最も求めている女性のキスなら効果があるかもしれないってことだ。だが、お前は人間。ウルフにキスをすれば、廃人になってしまうだろう。このままウルフが死んでいくのを見つめるか、キスをするか。……お前に任せよう」
デュオはいっこうに目覚めようとしないウルフガングをどうすべきか迷っていた。
日に日にウルフガングのオーラは弱まるばかり。
試しに、ヴァンパイアのエクスタシーで甦らせようとヴァンパイアの女にくちづけさせたこともあった。
しかし、そのパワーが強まることはなかった。
(……おかしい。普通のヴァンパイアなら、ヴァンパイアのエクスタシーを与えればパワーが強まるはず。だが、ウルフはそれを無意識に拒絶しているように見える……)
デュオは何かを思いついたように腰を上げると、ウルフガングを棺おけに入れ仲間とともに運び出した。
「エマ様!!デュオ様がここに!!」
「え!?」
エマはこの地下牢にデュオが初めてやってきたことに驚いた。
そしてさらにエマに驚きを与えたのは……。
ゴトンと置かれた金色の十字架がそのフタに埋め込まれている漆黒の棺おけに、
エマの愛するその人が横たわっていた。
「……ウルフ!!」
ウルフガングは眠っているようにその瞳を閉じていた。
「ウルフ…ああ…生きていた!」
エマは涙を堪えるように唇をきゅっとかみ締めるとウルフガングを上から抱きしめた。
「エマ、娘は差し当たって殺される心配はない。カーラがガイアへ連れて行ったとの情報も得ている。そのことは私がなんとかしよう。だが、ウルフのことは、私にはどうにもならない。悪いが、ヴァンパイアの女にくちづけをさせてみたが、どんなエクスタシーでも効果がないようだ」
「デュオ…?」
エマはデュオが何を言いたいのか呑み込めず彼をじっと見つめた。
「……つまり、ウルフが最も求めている女性のキスなら効果があるかもしれないってことだ。だが、お前は人間。ウルフにキスをすれば、廃人になってしまうだろう。このままウルフが死んでいくのを見つめるか、キスをするか。……お前に任せよう」


