………ウルフ……。
愛しい人。
ごめんなさい。
死を選ぶわたしを、許して……。
あなたのもとに行けないなら、わたしは死を選びます。
エマはロンドン近郊の海にその身を投げた。
胸に光る十字架を握り締めながら……。
落ちていく意識の中、エマは金色に輝く光を見る。
それはエマに近づくと彼女の体を徐々に海岸へと引き上げていった。
そして、青く輝く水面を見つめながらエマはその名を呼んだ。
「ウルフ……」
「うっ…ごほっ!げほっ…」
「エマ様!しっかりしてください!」
海岸に引き上げられたエマは咳き込みながら顔を上げた。
「カルロ…!」
その瞬間、カルロはいつもの笑顔を閉ざすと、声を張り上げて叫んだ。
「エマ様はこの先の幸福を捨てるおつもりですか!?私に死ぬなと、何があっても必ずもう一度幸福が訪れるとおっしゃったのは……エマ様です!!」
「……カ、ルロ。ごめんなさい。わたしには、ウルフのいない幸福なんて…考えられなかったの…!」
エマはそのまま嗚咽をもらすと、両手で顔を覆ってむせび泣く。
「……エマ様。カーラがなんと言おうと、ウルフ様を信じるのです。あの方は、エマ様を置いて死ぬようなお方ではありません」
「……カルロ…!!」


