ヴァンパイア†KISS

エマを両脇から抱えるようにしてカルロとブルースが去ったあと。

ウルフガングはたった一人で、オズワルドと対峙していた。

「……兄の命令か…?オズワルド」

「ユーゴは、牢から逃亡したお前を血眼になって探していた。そしてお前がいまだにエマという少女と関係していることを知った。ユーゴの命令は、ウルフを連れ戻すこと、その女を殺すこと、そして逃亡を手引きした息子を探し当てることだ!」

オズワルドはその逆立つ銀髪をさらに逆立たせるように、ヴァンパイアのオーラを全身に放つ。

まだ人間では10代に見えるような若いオズワルドのそれは、ウルフガングにも負けてはいなかった。

それに呼応するように、ウルフガングもバイオレットのオーラを全身に放つ。

しかし、彼は心臓を押さえると「う…!」と苦しげに声を漏らしその場にしゃがみこんだ。

「……心臓を突いたらしいな。それでは戦えまい」

オズワルドは氷のように笑うとウルフガングにゆっくりと近づいていく。

「私を探す必要は、ないぞ。オズワルド!」

ウルフガングの後方の闇の中からゆっくりとその姿を現した人物は、バイオレットの瞳を忌々しげに細めると、まだ若いそのヴァンパイアに一瞥をくれた。

「デュオか……!」

オズワルドが足を止めて見やったデュオのそのまた後ろから、5名の青の瞳のヴァンパイアたちが牙をむいて歩いてくる。

「…ぐ…ひぃゅぅぅぅ!ウルフ様!私たちも微力ながら加勢致します!」

「ルドルフたちか…!」

ウルフガングが驚きの表情で振り向く。

「今までウルフ様を助けられず、申し訳ありませんでした。しかし、ユーゴがこれ以上ウルフ様を弾劾すると言うのなら私たちは捨て置くことはできません」

「……済まない」