ヴァンパイア†KISS

その風の出現地を振り返ったカルロとブルース、そしてエマの瞳に。

バイオレットの光を放つ一頭の狼が映った。

その狼はバイオレットの瞳を細めると、鋭い牙を見せオズワルドを威圧した。

いや…狼に見えたその人物は黒のマントを翻すと叫んだ。



「……オズワルド!!」



「……くっ!……ウルフか!!」



カルロがエマに駆け寄りその体を労わるように抱き上げる。

エマは会いたかったその人物が涙でよく見えないことにもどかしさを感じていた。

「……ウルフ…!!」

「エマ…遅くなって済まない。……それは、怒りの涙、か?」

エマはふっと楽しげに笑う。

「恋の涙よ」

(ウルフ、あなたに恋をして、わたしは涙もろくなったのよ)

エマは独り言のようにつぶやいた。


「カルロ、エマを連れて逃げろ!あの場所だ!」

「はい!ウルフ様!」