ヴァンパイア†KISS

ほとんどの研究員が眠りに落ちたその時刻。

エマは眠れずにうたた寝をしていた。

(もうここに来て2週間あまり……。わたしもう、ここから出られないの…?)

その時、ゆっくりと堅く閉じられていた扉が開いた。

「…だ…れ?」

暗がりの中、金髪と青く光る瞳が浮かび上がる。

「……カルロ!!」

カルロはバツが悪そうに笑うと、

「遅くなって申し訳ありません…。ああ、私はいつも遅くなってしまう性分のようですね」

と言ってエマの手をとった。

「あなたどうやってここに?」

「ええ、ブルースがここの職員を一人味方にしてくれたものですから。鍵はスムーズに開けることができました」

すると後ろから気持ちの悪そうな顔でブルースが顔を出した。

「うぇえ…。僕は男の血は吸わない主義なんだ。しかも人間なんて……!……でもデュオ様の命令だから僕にはどうしようも……!」

そう言ってブルースが振り向いたドアの先に、鍵を持って佇む研究員の白衣を着た男がいた。

「ブルース様。あなた様の血に誓って私はどんな鍵でも開けてみせましょう……!」

「ああ、もういいよ…。下がって、下がって」

ブルースが手で追い払うと男は悲しそうにその場を立ち去った。

「エマ様。ウルフ様も近くまで来ておられます。もうすぐ、お会いになれますよ!」

「……ウルフが!!」