教会のステンドグラスが、差し込む真昼の陽を色とりどりに浮かび上がらせるその場所で。

美しく輝く金色の髪が踊っていた。

彼はワルツのホールドの姿勢を崩さずに、華麗に踊る。

まるでそこに女性がいるかのように……。

「ワンツースリー。ワンツースリー……」

少年らしい可愛らしい声で、口ずさみながら踊る彼の足元に、黒猫が近づき「にゃぁ」とひと声鳴き声を出した。

ワルツを踊っていた足がふと止まり、黒猫を慈しむように抱き上げる。

「エイダ、お前も踊りたいか?」



――――エ・イ・ダ………!!



少年が振り返った瞬間。

わたしは時が止まったように、息をすることを忘れてしまっていた。



神様。

もしかしたら、この瞬間の名前を――




『運命』と呼ぶのでしょうか―――?