ヴァンパイア†KISS

エイダは「にゃあ…」と鳴き声をあげると、ウルフガングの手を離れて瓦礫の中へと入っていった。

(エイダ。お前はこの先永遠に子猫のまま生きつづけるだろう…。これが、エマの言う再び訪れる幸福、かもしれんな……)

ガサっと人の足音がし、ウルフガングは見知ったその匂いをかみ締めながら振り返る。

カルロが事の一部始終を見ていた驚きを隠せず、その青い瞳を大きく見開き佇んでいた。

やはり………避けられぬものか……。

関わるまいとしても、知らずに惹かれる心は、ヴァンパイアも人も同じ。

「君を見ていた……。そしてここに来ると。私はわかっていたよ、カルロ」

人間とヴァンパイア、種は違っても、想う人は同じ……。

エマ………君は不思議な人だ。

「あなた……は、ヴァンパイア?」


ウルフガングは運命の悪戯に思いを決したように目を細めると、
注がれる月光にヴァイオレットの瞳を光らせ、


運命を呪うように、笑った。


「ウルフガングだ」