僕の名前は、アーサー・ゴードン。吸血鬼だ。人間とは違い何百年も生き続けている。

僕が今住んでいるのは、この地区にある大きな城。レイモンド城と街の人たちからは言われている。

今から二百年ほど前だったと思う。僕は、住む家がほしくてレイモンド城の人々を襲った。力ずくでレイモンド城を手に入れたのだ。

この話はこの辺りでは有名で、レイモンド城には誰も近づかない。まあ、その方がいいんだけどね。吸血鬼だから、独りでも寂しいなんて思わないし、人間という存在はただのエサだ。

僕のような吸血鬼は、一月に一度だけ人間を襲って食事をする。吸血鬼に襲われた人間は、全身の血を奪われて死ぬが、僕が生きていくためには仕方のないことだ。

百年ほど前までは、吸血鬼ハンターとかいうのが頻繁に城に来て僕を殺そうとしてきたんだけど、最近はハンターも来ないしなぁ…。もちろん、勝負は僕の勝ち。ハンターたちには、僕のエサになってもらったよ。