「最近、男の人の不審死がたまにあるわね…」

「怖いわ…。レイモンド城の吸血鬼とやらがやったのかしら…」

そんな噂が村中に流れるようになった。まあ、吸血鬼の仕業というのは真実だ。

夕方、夕焼けが道を照らしている。僕はエミリーの家の扉を軽くノックした。

「はい」

エミリーが出て来る。僕は鳥の入った袋をエミリーに渡した。

「狩りをして獲ってきました。おかずにしてください」

エミリーは、不思議そうな目で僕を見つめた。ヘーゼルカラーの目に僕の姿が映る。

「アーサーさんって、どういうお仕事をされているんですか?」

エミリーからの質問に、僕は嬉しさを感じる。今までは、僕が一方的に質問をするだけだったから。

「僕は、一応物書きの仕事をしています」

「そうなんですか…。狩りをしたり、父の怪我を治してくれたり、高価な装飾品をくれたり、どのようなお仕事をされているのかずっと不思議だったんです」