「どうしたの?白くん。……白くんは、嬉しくなかったの?」
 「いえ……ゲームキャラクターのデザインなどしたことがなかったので話が出たときはどうしようかって思ったんです。嬉しい気持ちより、戸惑いが大きくて。」
 「そうなの?すごい事なのに………。」
 「はい。しずくさんの笑顔を見て、引き受けて良かったって思いました。すごい事なんだもという事も。」


 そういうと、白は自分のスマホを掲げてその画面をなぞった。


 「僕が作ったキャラクターで遊ぶしずくさんを見れるんですね。」
 「白くん、自分の作ったキャラクターを見ないと。」
 「そうですね。」
 「でも、どうして絵本作家の白くんにキャラクターデザインの仕事が来たの?」


 しずくは、純粋な疑問を彼に質問した。
 すると、白は「それには理由があるんですよ。」そう言うと、またスマホを操作して有名な画像投稿アプリのSNSを開いた。


 白が開いた個人ページには『絵本作家さつきのページ』と書かれている。トップ画は大切なスターチスの花だ。それを見て、すぐに白の個人ページだとわかった。
 そこに投稿されている画像は、すべて絵だった。好きなアニメやゲームの絵、そして神秘的な妖精の絵が多かった。