朝から甘い言葉を投げ掛けてくる白に驚きながら、しずくはあたふたとしてしまう。
 けれど、白はニコニコとしたまま、しずくの唇に小さくキスをした。
 あまりの事にしずくは固まったまま目を多くして彼を見てしまう。


 「おはようのキスです。………それに、もう少し余韻に浸りたいので、まだ洋服は着ないでください。」
 「………なんか、白くん意地悪になってない?私が恥ずかしがるのわかってやってるような気がする。」
 「意地悪するつもりはないんですが、何だか嬉しくて……。」
 「嬉しい………?」
 「ずっと夢見ていた人を手に入れて、そして隣に居てくれる事が嬉しいんです。」
 「それは………私も同じ。」


 キラキラした笑顔でしずくの顔を覗き込む彼を見ていると、自分の気持ちも伝えたくなってしまうから不思議だ。

 恥ずかしい気持ちもまだあったけれど、それでも彼とくっついて居たいのしずくも同じ気持ちだった。
 素肌同士が触れ合い、そこが熱くなりぬくもりを感じる。


 「体は大丈夫ですか?」
 「え、あ……うん。大丈夫だよ。」
 「良かった……無理させちゃいましたよね。」
 「そんな事ないよ?大丈夫。……白くんは、私のせいで……その………我慢したいしてないよね?」


 しずくは、昨日の事を思い出し、照れながらも心配していたことを問いかける。
 昨日、確かに白はとても激しくしずくを求め、体を合わせた。しずくは何度も求められて苦しくなることもあったけれど、それは幸せで気持ちよくなりすぎたための苦しさだったため嬉しかった。
 けれど、白はしずくの体を思いやり思い通りにしていなかったのではないか。そんな心配が頭を過ったのだ。
 自分に考慮してくれるのは嬉しいけれど、白にも気持ちよくなってほしい。そんな風に思うのだ。
 昨晩の行為は白の前で話すのは恥ずかしい。けれど、それでも彼に伝えたかった。
 白にはもっと素直に求めてほしい。そう思ったからから。


 その気持ちがわかってなのか、白は少し困り顔を見せながら微笑んだ。