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 白は少し火照らせたしずくの頬を指で触れた。しっとりとして、弾力のある肌は少し汗ばんでいる。
 しずくはぐっすり眠っているようで、全く反応がなかった。小さな寝息をたてて寝てしまっていた。
 それもそのはず。
 先程まで、しずくを白は求めて、必死に抱いていたのだ。やっと触れられたと言う満足感と幸福感。そして、離したくないという独占欲から、しずくを抱き続けてしまった。
 初めて肌を触れ合わせ、彼女を知ったばかりだというのに、しずくの身体を労りながらも自分の気持ちと欲求を抑えることが出来なかった。

 その原因はわかっている。
 彼女がずっと昔から憧れ、恋してきた人だからだ。やっと彼女を手に入れられて、白は有頂天になっていたのだ。

 そして、もう1つ。
 しずくの一つ一つのしぐさや表情、声、そして彼女の全てが白を興奮させたのだ。
 とても可愛くて、綺麗で、愛しくて仕方がなかった。
 1人の女性をここまで好きになるとは思ってもいなかった。

 しずくの事は昔から好きで、一緒に居れたら幸せだなと夢見ていた。
 けれど、ここまで夢中になり気持ちをかき乱す存在になるとは思ってもいなかった。

 それぐらいに、白にとってしずくは大きな存在になっていた。



 「しずくさん、無茶させてすみません。」


 白はそう言って、しずくの額にキスを落とした。すると、「ん………。」と、喉を鳴らしながら、白の身体に近寄ってきた。
 それが堪らなく可愛く感じた白は、彼女を強く抱きしめたくなったけれど、しずくを起こしてしまうのは忍びなかったので、ぐっと我慢した。


 「しずくさん、おやすみなさい。」


 しずくが起きないよう小声でそう言うと、ふんわりとした布団を彼女に優しくかけた後、白もすぐ隣で眠りについた。

 明日の朝、1番に彼女の顔を見える事を楽しみに。