翌朝、俺は爽子の温もりを感じながら目を覚ました。

「おはよう」
「おはよう」
恥ずかしそうに頬を赤くする爽子には涙の跡が残っている。

チュッ。
口づけをして、涙の跡を指でなぞる。

「ごめん。泣かしたね」
「えっ」
驚いたように起き上がり、「顔を洗ってきます」洗面台に駆け込んでいった。

次の瞬間。
「キャー」
爽子の悲鳴。

何だ?
「どうした?」
思わず走っていた。


「これ」
恨めしそうに鏡を見る爽子。

あー。
そこには、真っ白い肌に付けられた無数の赤い斑点。

「どうしよう。これじゃあ、胸元の開いた服は着られないわ」
「いいじゃない。大体、胸元の開いた服なんて誰に見せるんだよ。そんなの着る必要ないから」
屁理屈なのは分かっていて、こう言うしかない。

「もう、泰介ったら」
呆れたように、爽子はファンデーションで赤みを消していく。

ちょうどその時、

ブブブ。
俺の携帯が鳴った。

珍しいな、こんなに早く。
しかし、
発信者を見てさらに驚いてしまった。