「お待たせしました」
約束よりも20分ほど遅れて、田島さんはやって来た。

「いえ、私も今来ましたから」
本当は30分以上待っていたけれど、今は言わない。

「どこかで食事でもしようか?」
「はい」
「どこがいいかなあ」
「私はどこでも」


結局、田島さん行きつけの小料理屋さんに向かうことに。

「いらっしゃいませ」
大通りからすこし入ったところにあるこぢんまりしたお店。
常連らしく、すぐに個室に案内された。

「何食べようか」
「私は何でもいただきます」

「ふーん。じゃあ、オススメのコースを」