そして、
おもむろに立ち上がり、羽織っていたカーディガン脱いだ爽子さん。
俺はなにが起きるのかと、身動きできないでいた。
「驚かないでくださいね」
そう言うと、長袖ブラウスのボタンを外しまくり上げる。
え、ええ。
危うく声が出そうになった。
肘から手首に向かう大きな傷跡。
何度か手術の痕もあるようだが、かなり目立つものだ。
「小学生の時、車にはねられたんです。色んな病院に通いましたけれど、この傷が消えることはなかった」
「爽子さん・・・」
「ごめんなさい、こんなもの見せて。でも、事故って怖いんです。泰介さんに怪我がなかったのは奇跡なんです。だから・・・」
爽子さんが泣き出した。
「ごめん。君の気持ちも知らずに、申し訳ない。仕事のことは考えずにゆっくり静養するから」
爽子さんに手招きし、寄ってきた彼女を抱きしめた。
力を入れれば壊れてしまいそうな華奢な肩が、震えている。
俺は爽子さんを誤解していたようだ。
何の苦労も知らない天真爛漫なお嬢様としか思っていなかった。
「私、どんなに熱くても半袖にはなれませんし、海に行っても水着は着られません」
「いいよ、別に。僕は気にしない」
強がりではなく、素直に出た言葉。
おもむろに立ち上がり、羽織っていたカーディガン脱いだ爽子さん。
俺はなにが起きるのかと、身動きできないでいた。
「驚かないでくださいね」
そう言うと、長袖ブラウスのボタンを外しまくり上げる。
え、ええ。
危うく声が出そうになった。
肘から手首に向かう大きな傷跡。
何度か手術の痕もあるようだが、かなり目立つものだ。
「小学生の時、車にはねられたんです。色んな病院に通いましたけれど、この傷が消えることはなかった」
「爽子さん・・・」
「ごめんなさい、こんなもの見せて。でも、事故って怖いんです。泰介さんに怪我がなかったのは奇跡なんです。だから・・・」
爽子さんが泣き出した。
「ごめん。君の気持ちも知らずに、申し訳ない。仕事のことは考えずにゆっくり静養するから」
爽子さんに手招きし、寄ってきた彼女を抱きしめた。
力を入れれば壊れてしまいそうな華奢な肩が、震えている。
俺は爽子さんを誤解していたようだ。
何の苦労も知らない天真爛漫なお嬢様としか思っていなかった。
「私、どんなに熱くても半袖にはなれませんし、海に行っても水着は着られません」
「いいよ、別に。僕は気にしない」
強がりではなく、素直に出た言葉。



