「こういうタイプは初めてだろう」
「どういう意味だよ」
「だから、今までお前がつきあってきた女はみんな自分で自分の人生切り開いていけるような強い女だったじゃないか。対等か、下手するとお前の方が押され気味で。間違っても、守ってやらないといけないような女はいなかっただろう?」
「そんなこと・・・」
ないとは言えない。

「結局、泰介は優しすぎるんだ」
「なんだよそれ」

でもなあ、確かに今までつきあってきた人は気の強い女が多かった。
初めてつきあったのも高校の先輩。
大学生になってからもつきあったのはほとんどが年上。
唯一の同い年は・・・

「夏輝(なつき)とだって、2年も同棲しておきながら結局捨てられたじゃないか」
「別に捨てられたわけじゃない」
俺たちは自分の夢を信じていこうと決めただけだ。

「そういえば、夏輝帰ってきてるんだろう?」
「え?」
チクンと、俺の心が痛んだ。