気の強い夏樹のことだ、きっと爽子に挑戦的なことを言ったんだろう。
優しい爽子は、傷ついてしまったんだ。

「夏輝がなんと言おうと、今俺が好きなのは爽子だよ。それだけではだめかな」

「泰介」
みるみるうちに爽子の頬が赤くなる。


「高杉爽子さん、僕と結婚してください」
ポケットにしまいこんでいた小さな箱を取り出して、俺は爽子にプロポーズした。