「一緒に払っておきました」

「爽子が?」
「ええ」

「ええって、君のお金で払ったわけではないでしょう」
詰め寄る泰介の厳しい顔。

「もちろん、パパのカードだけど」
それのどこがいけないのよ。

「僕の分まで一緒に支払ってもらうわけにはいかないよ」
「そんなこと気にしなくても」
「僕が嫌なんだ。悪いけれど、精算し直してくれ」
「はあ?」
睨み返してしまった。

そうしている間にも、泰介はマネージャーを呼び自分の費用は自分のカードから落としてくれるようにと依頼した。

スタッフ達も険悪な空気を感じ取り、遠巻きに私と泰介を見ている。

な、何なのよ。
パパのカードを使って何が悪いのよ。

フツフツとこみ上げる憤り。
どうしても、我慢できなかった。
また、お子ちゃまな私が顔を出してしまった。