週末。
都内の撮影スタジオ。

「おはようございます」

「あれ?爽子ちゃん久しぶり」
見知った顔のカメラマンさんが、声をかけてきた。

「お久しぶりです」

「今日はモデル?」

「まさか。私では被写体として薄すぎます」

「そんなことないよ」
一応否定してくれた。

でも、私にも分かっている。
ちっちゃくて、やせっぽちで、色が白いだけ。
写真に写れば小学生にさえ見えてしまう。

「今日は忙しいから、よろしくね」
「はい」

高校生の頃から撮影現場には顔を出してした。
その辺のバイトスタッフよりも使えると自負している。

「モデルさんは入りまーす」

ピリッと、現場に緊張が走る。