その日仕事が終わって向かったのは駅前のバー。
私のお気に入りの店。
実はこの店は、はじめての人に連れてきてもらった所。
そう、泰介の友人東阪一颯さんと来た店。

半年ほど前、職場の近くを歩いていて偶然見つけた。
懐かしさもあって1人で顔を出してみると、雰囲気も良くお酒も美味しくてそれから足を運ぶようになった。

「いらっしゃいませ」
「こんばんは」

「お任せでよろしいですか?」
「はい」

アルコールにあまり詳しくない私に、マスターが季節に合ったカクテルをチョイスしてくれる。

「うーん、美味しい」