混乱の中、出てきた答えが夫婦になる事だったのかもしれない。晴人くんと柏崎さんが夫婦になれば元の家族に戻れると思ったのかもしれない。元の家族以上の絆を持つ事だって出来たはずだ。でも、二人は望んではいなかった。あくまで、二人は姉弟として愛し合っていた。夫婦になれるほどの感情がない事を自分たちが一番分かっていたんだ。

「なぁ・・・、晴人くん・・・。俺じゃ、ダメ・・・かな。確かに頼りないしダメな先輩だけどさ。俺じゃ無理かな」

「・・・?何の話ですか?」

「柏崎さんの家族の話。俺が最後を見届ける家族になっちゃ・・・、柏崎さんの血の繋がった家族を作る手助けをしちゃダメかな」