迷惑なんて思ってないよ

俺にとって悪夢だったのか、荒い息が止まらなかった。ぐっしょりかいた汗が制服を濡らして寒いほどだった。
恋をしたのは初めてだったけれど、夢にまで彼女が出てくるなんて末期だ。異常だ。ふっと目線を逸らした先で俺の体温は一気に上がった。だってその先にはいなかったはずの彼女がいたのだから。
眠っている彼女は美しかった。入学式の日に屋上で見た笑顔とは違う美しさがあった。俺は彼女の笑顔に惚れて、寝顔に惹かれていたんだ。

「お遊びが過ぎますよ」

「うわあっ!起きてたの!?」

引き寄せられるがまま、無意識の内に顔を近づけていたんだと思う。目の前で急に開いた彼女の瞳に驚いて尻餅を付いてしまったんだ。たぶん、俺の顔は赤くなっていたと思う。