ただ、凛太郎くんの恋の相手に勘違いされるような所を見られたら。色んな事を考えながら、凛太郎くんの小指と指切りをしていた。でも、遊園地なんて私も晴人が生まれる前に一度だけ行ったくらいで案内なんて何も出来ないよ。

「あの・・・、何でそんなに優しくしてくれるんですか?」

「えっ!えーっとぉ・・・、初めての友達柏崎さんだったから?」

幼い頃から付きまとわれていたのかな。じゃないと私が初めての友達なんておかしいもの。
そっか、私は凛太郎くんの友達なんだ。それ以上でもそれ以下でもない。高校に入ってからの三年間、何も変わりはしないんだ。少しだけ特別になれたらとか、なっていたらとか思っていたけれど、そう思う女の子は凛太郎くんの周りにはたくさんいるんだ。恋愛対象として見られるのが嫌で避けていた私と友達になったんだ。