私とは友達として接しているから私ではない誰か、凛太郎くんが思いを寄せている人を見つけ出そうとしている。私たちは凛太郎くんの恋の相手を探し当てる情報源として目を付けられ、追われていた。

「何とかしなきゃなぁ」

「俺たちのせいだもんな・・・」

「よしっ!じゃあ最終手段だ!」

真剣に考え込んでしまった二人と騒ぐ生徒たちを見つめる晴人。何か良い案と言った所で私には誰かが囮になって三人を逃がす方法しか思い浮かばなくて何も言えなかった。
急に叫んだ慶太郎くんの声で気付かれないか心配している私の心境なんか知らず。慶太郎くんは芝の中に手を入れたかと思うと扉のように持ち上げた。