「…あんず。」


好きだよ と言う代わりに名前を呼んで、彼女が振り向いた瞬間に優しく唇を重ねた。


キスがしやすい身長差は12cmとか言うけれど、彼女と同じ目線でいられるこの距離が好きだ。



まだ気づいていない彼女には秘密の昔話と、俺の想い。

どうか、いつか届きますように。



fin