「愛唯〜!おはよ!!」




「おはよう、希空ちゃん。」





入学して4日。少しだけど高校にも慣れてきた。といっても話せる人はまだまだ希空ちゃんくらいだけど。





「今日席替えでしょ?愛唯と近くになれるかな??」





「私希空ちゃんと離れたら生きていけない。友達いないもん……。」





希空ちゃんはもうたくさんの子と話していて、私とは違うなって少し悲しくなる。昔から人見知りが激しい私は友達ができにくいタイプ。





「大袈裟だな〜。大丈夫だよ、クラスが離れるわけじゃないんだし!それに愛唯もすぐみんなと仲良くなれるよ!こんなに可愛いんだもーん!」





ギューッと抱きついてくる希空ちゃん。ほんとに希空ちゃん可愛い。






「あれ?希空ちゃん、髪の毛染めた?」






「あ、わかった?そうなの!実はね、茶色にしたの!」






「すっごく似合ってる!」







「愛唯は元から茶色もんね〜!羨ましいよ、綺麗な茶色で。」






「そうかな?ありがとう!」






生まれつき色素が薄く、茶色の髪だった私。それが嫌だったときもあった。けれど綺麗だって言ってもらえると嬉しい。






「あ、先生来ちゃうね。」







それから先生がきて、1日が始まった。


















6時間目。みんなワクワクした様子で、教卓にたつ先生をみている。





「うぅ、緊張してきた……。」






「もー、愛唯!大丈夫だって!」







「はーい!今からクジを引いていってください!!」







先生にそう言われ、みんな順番に引きに行く。私もそっとくじを引いた。先生が書いた座席表の番号と照らし合わせると、私は窓際の1番後ろ。





「愛唯〜どこだった??」






「窓際の1番後ろ。希空ちゃんは?」






「あちゃ〜、私愛唯の2個前だ。ね少し離れちゃったね。」







嘘でしょ!!!泣きそうな思いで希空ちゃんをみつめる。







「泣きそう顔しないで〜。休み時間は愛唯のとこ行くから!ね?」






コクっとふ頷いたけれど、不安でいっぱい。まわり知らない子ばっかだし、どうしよう……。






「はい、座席動かしてー!」







あんまり進んでくれない足を無理矢理動かし、窓際に移動する。大人しくしよう。そう決めて、私は静かに自分の席に座った。






「お、湊近いじゃん!」





「おぉ、やった!奏多と近いと安心する!」






私の前に座った子と、横に座った子が話している。どうしよう!!!この席で次のテストまでやっていけるかな!?






「嘘〜、また奏多の近く?もう嫌なんだけど!」






「げっ、松浦!まさかお前ここ?」






「げって何よ!そうよ、ここだけど、悪い??」







「悪いとは言ってねーよ!」






「奏多と松浦はほんとにずっと席ちけーな。」







「嬉しくないんだけど〜!」






「俺もだわ!」







次に来たの私の斜め前の子。どうやらこの3人は中学校からの友達で仲がいいみたい。






「あ、ごめんね、うるさくて!」






「え、あ、大丈夫…です。」






突然女の子に話しかけられ、す少しびっくりする。変な子って思われたかな……?






「おい、松浦、怖がってるだろ。お前、怖いんだからもっと優しく、言わないと。大丈夫?倉森さん。」





「え、名前……。」






「松浦も奏多も急に話しかけたらびっくりするって。俺新坂湊(にいさか みなと)!んで奏多…こいつ女の子大好きだから、名前は確認済みみたい。気にしないでいーよ。」





ニカッと爽やかに笑った新坂くん。






「ちょ、ひど!可愛い女の子好きで何が悪いんだよ!!あ、俺神田奏多(かんだ かなた)!」






「急に話しかけてごめんね。私松浦菜湖(まつうら なこ)!」






「あ、と、私倉森愛唯です。」






「愛唯ちゃん!私のこともそ名前で呼んで!それとタメでいいから!!」





「うん、よろしくね、菜湖ちゃん!」






「あぁー!!可愛い!!」






ギューッと抱きつかれる。希空ちゃんも菜湖ちゃんも私に抱きつくけど、なんでだろ?






「愛唯ちゃんさ、同じ中学校の子いる?」






「いないの。だから、こうやって話しかけてもらえてすごく嬉しい!」







「倉森さんいい子そうだし、すぐたくさん友達できるよ。」






「そうそう!私らも、もう友達だしね!」






「!!うん!!」







お友達がいっきに増えて、すっごく嬉しい!私は思わずニッコリと笑った。