「・・・・・一人はだめです・・・・たぶん、食べない。・・・ここにいてください・・・」

俺のジャケットの袖を、控えめに捕まえた、加藤。

そんなかわいいこと、言うな。かわいいことすんな。


「そんなこと言うな。今、お前んちに入ったら、俺の理性もたない。顔見たら安心した。俺は、帰るから、ちゃんと食えよ」

「・・・一人にしないで・・・」

「・・・」

「帰らないで、一緒にいて」



もう、無理だった。

俺は加藤を抱きしめた。



抱きしめた加藤の肩に俺の顎が乗る。顔の高さが同じだ。



顔を少し横に向けると、加藤も少し顔こちらにを向けた。

「先生・・・一緒にいて。一人になりたくない。先生と一緒にいたい。先生に抱きしめてもらいたい」



加藤の柔らかい唇の感触を確かめるように、何度も何度もキスをした。



「加藤・・・」

「せ、せんせい・・・」

「名前呼べよ。」

「・・・翔さん」

「あや、あや・・・」

「しょ、翔さん・・・ん・・・・」



玄関先で、靴も脱がずに、何度も何度もキスをした。



もう、離せない。離さない。