ピンポン♪



玄関のチャイムが鳴る。

はっと、外を見ると、真っ暗。

え?もう夜?



ピンポン♪

「加藤。大丈夫か?加藤。」



宮野先生?

もう、そんな時間?



玄関を開けると、

「大丈夫か?倒れてなかったか?調子はどうだ?チャイム鳴らしても、出てこないから心配した。頭、痛くないか?気持ち悪くないか?大丈夫か?」



宮野先生が心配そうに顔をのぞいてくる。



「はい、たぶん大丈夫です。気づいたら、今でした。ぼんやりして、一日が終わってました」

「え?帰ってきてから、ずっと?」

「部屋に帰ってきて、ソファーでぼんやり考えていたら、今で・・・」

「飯は?昼食べてないのか。水分は?」

「いや、何も・・・」

「バカだな、また、倒れるぞ。また、点滴されたいのか?」

「点滴は嫌です。水分取ります。」

「飯も食え。なんか、食えるものあるのか?とりあえずコンビニで弁当とか買ってきたけど。食えるか?」



先生から手渡されたコンビニの袋には、弁当とヨーグルト、プリン、カップケーキ。スポーツドリンク、オレンジジュース、チョコレート・・・いろいろ出てきた。



「先生、夕飯は?」

「まだ、かえってカップ麺でも食うから、大丈夫。とりあえず、お前も顔見に来ただけだから。一人でも大丈夫か?ちゃんと飯食えるか?食えるな?食えるなら俺帰るから。」

「・・・・・一人はだめです・・・・たぶん、食べない。・・・ここにいてください・・・」