「俺じゃダメか?山形のような王子様にはなれないけど、俺、加藤がお前が好きなんだ」



え?宮野先生が私を好き?



「帰ろう、今日はもう仕事は上がっていいそうだから、送ってく。着替えてくるから、待ってろ」





白衣姿から、私服に着替えた宮野先生が病室に入って来た。

「送ってく。起きられるか?」



宮野先生に連れられて薬局に一旦戻り、着替えて先生の車に乗せられた。



「めし、食えるか?」

「無理かも・・・」

「じゃあ、お前んちまで送ってく。場所教えろ」

「えっと、自転車で15分なんで。」

「倒れたんだよ。また、倒れたらどうすんだよ。遠くないなら、送ってく」

「すみません・・・じゃあ・・・お願いします。」



そのあと、うちまでの車の中はずっと無言だった。

さっきの話は、聞き間違い?気のせい?

宮野先生、怒ってる?

運転している宮野先生の顔を見ても、何もわからなかった。