「ん・・・」

眼を開けると、白い天井。

ここどこ?起き上がろうとするが、体が重すぎて起き上がれない。

眼だけで、きょろきょろ周りを見渡すと、点滴棒に吊るされた点滴が、腕につながっている。

ん?

私、どうしたんだっけ?なんで、点滴?何していたっけ?

考えると、頭が痛くなってきて、また、息がしづらくなってきた。

また、目を閉じることにした。



どれくらい時間がたったのだろう・・・

また、目を開けると

「加藤。大丈夫か」?

宮野先生が覗き込んで来た。

「み・宮野先生?なんで?」

「病棟で倒れんたんだよ。脱水と軽い貧血。あとは、パニックか?」

「倒れた・・・」

「顔が真っ青で、ふら~と椅子から転げ落ちそうになったんだ。」

「あ~。なんか、息が出来なくて、意識がもうろうとして・・・」

「息ができないって、どういうことだ?」

「のどにビー玉が詰まってて。実際につまってる訳ないんですけど、それでも、息がしづらくて」

「わかった、もうちょっと調子が良くなったら、検査しよう。それまでは、ゆっくりするんだ。点滴終わるのに、もうちょっとかかるから、寝てろ。終わるころに迎えに来るから・・・」

宮野先生の言葉を最後まで聞けず、私はまた、目を閉じた。