「あっ、綾先生いいところにー。あれ、取ってもらえません?」
棚の上に積まれたカット綿を指差して、かわいらしい看護師さんが、言ってきた。

「誰があんなところに置いたんだろー。あんなの、届かないのにー。」
と、かわいらしくプンプンしてる。

「いいですよー。私なら届きますから(笑)」
棚の上に手を伸ばし難なくカット綿の箱を取って渡すと
「ありがとうございます。やっぱり、背が高いとかっこいいですねー。」

「でかいだけだろ(笑)」
そこに、宮野先生が通りがかった。

「でかいと、便利なこともあるんですよ!ひどいなー。先生も届かないものは、声かけてもらっていいですよ!」
「はっ、台に登ればいいだけだろ。」
「それが、面倒なんでしょ」
「でかいと、場所とるだろ!」
機嫌悪く言い放って去っていった。

もー、なんなのよ!
イラッとしていると、隣にいた看護師さんが
「宮野先生って、綾先生にだけ意地悪しますよねー。なんか、やらかしたんですか?」
「いやー。なんかしちゃった?記憶にないんとけどなー」
私は首をひねった。