こんな恋の話【短編集】






「陽二が何で星川と付き合ってんのか、俺正直わかんねぇ。適当に付き合ってんなら…「……らに決まってんだろ…」」


「え?」


「好きだからに決まってんだろ!!」


「陽…二……?」


びっくりして目を丸くする拓也。


その顔を見てハッとした。


「あ、いや…。わりぃ…。」


「おぅ…」


呟くようにそう言うと、拓也はそれ以上何も言わなかった。


ただ無言でパンを頬張る。


そんな拓也の隣、俺は顔を伏せ、一人考えていた。


拓也に言われなくても、俺だってわかってる。


こんなんダメだって。


そんなことくらいわかってるよ…。


でも、わかんねぇんだよ。


どうしたらいい?


拓也が言うように、別れた方がいいのか?


この関係続けてて、何か意味があんのか?


わかんねぇ…


わかんねぇよ…


すずの気持ちが全然見えねぇよ…