こんな恋の話【短編集】






「汗だくじゃん。メイクも崩れてるし、髪もボサボサ。」


「冬矢…?」


「せっかく俺がいろいろ教えてやったのに。お前風に言うと魔法ってやつ?
そんなカッコで王子んとこ行ったってフラれるぞー。」


そう言うと、冬矢は頭をポンポンと優しく撫でてくれた。


とくんっと高鳴る胸。


それでもどこか温かい。


居心地がよくて安心する。


あぁ、好きだなぁ。


そう確認させられる。


「俺じゃなかったらフラれてるぞ、今頃。」


「だ、大丈夫!!」


「大丈夫じゃねぇだろ?」


「受けとめてくれたじゃん。それに、冬矢だったら大丈夫って自信あったから。」


「は?それお前、失礼じゃ「冬矢の隣ではかわいくいられるから。」」


驚いた顔をしてあたしを見つめる冬矢。


きっと、恥ずかしいことを言ってるんだと思う。


でも。


どうしても伝えたい。


あたしの気持ち。


あたしの想い。