こんな恋の話【短編集】






それから結婚式は順調に進み、いよいよブーケトス。


会場に来ている独身女性がみんな気合いを入れている中、私は後ろの方でその様子を伺っていた。


みんな楽しそう…


いいなぁ…


ボーッとそんなことを考えていたその時…


「キャッ」


突然誰かに背中を押され、その勢いで思わず前のめりになってしまった。


「志歩、キャッチ!!」


聞き覚えのある声に促され、私は目の前にボーッと浮かんできたその何かを両手で捕まえた。


「「キャーっ!!」」


「「おぉー…」」


女性陣の悲鳴と、男性陣の歓声。


その二つに包まれ、私は自分で何が何だかわからずにいた。


ただ…


「志歩、やったな。」


そう言って目の前で笑うその人を、私は知っている…


「なん…で……」


もうほとんど見えていないこの目でも、そこにある顔をはっきりと見分けることができた。


だって…


「志歩、会いたかった…」


だって…


そこにあったのは、何度も何度も瞼に刻み、何度も何度も思い返し続けていた


「じゅ……クン…」


大好きなその笑顔だったから…