こんな恋の話【短編集】






ドンッ


「あ、すみません…」


通りすがった人にぶつかって、慌てて謝る。


今日、これでもう三回目だ。


はぁー…


小さくため息を漏らすと、潤クンはクスッと笑った。


「志歩ってよく人にぶつかるよな(笑」


「そんなことないし。潤クンがこっち寄り過ぎなんだよ。」


悪戯っ子みたいに笑う潤クンにそう言い返すと、そっぽを向く。


その瞬間、笑顔が崩れる。


今見えてるこの世界が、もうすぐ消えてしまう…


近づいてきてるんだ。


別れが…