こんな恋の話【短編集】






「陽二。」


まだ開けてすらいない手紙を見つめてた佇む俺に、拓也が声を掛けてきた。


「俺さ、あんなこと言ったけどさ。ちゃんとわかってるから。陽二が星川のことちゃんと好きだったこと。半年も続いたことなんてなかったもんな。それに、何より幸せそうだった。星川がどう思ってるかしらないけどさ、何とも思ってないヤツと半年も続かないだろ?普通。

お前らが上手くいかなかったのはさ、片想いだったからとか、そんなんじゃないと思う。お互い、伝えようとしなかったからじゃねぇの?」


拓也の言葉に、言い返す言葉がなかった。


痛いところをつかれた。


そんな感じだった。


結局俺は逃げていた。


すずの反応が怖くて。


フラれるのが怖くて。


大事なことを伝えようとしなかった。


「今からだって間に合うだろ?」


そうなんだろうか?


行き場のないこの気持ちを、伝えてもいいんだろうか?