「ガッカリ、しませんよ」
…だって私は、先生に何も求めてない。
ただ一緒にいられたら、それでいいから。
強いて言うなら、「他の女の人と一緒にいないで」ってことだけ。
「知りたいんです、先生のこと」
自分の気持ちなんて、バレてもいいと思った。
さっきの先生、なんだかすごく寂しそうに見えたから。…ほんの一瞬だけ。
もし先生が世界でひとりぼっちに感じてるなら、私の羞恥心なんて、どうでもいいよ。
「…愛想がないとか、」
「…」
「お前は思わないのか」
「……寂しいとは、思います」
先生が何も話してくれないのは。
授業だけの繋がりだと。先生と生徒だけじゃ。
「俺は。面倒くさいのもあるけど、それ以前に苦手だ。人と関わるのが」
