きらきらと準備室




理科の中でも地学専門の先生は、去年の春の自己紹介から無愛想で、名前と年齢しか言おうとしなかった。

けれど、さすがに無愛想すぎると思ったのか、新任式の司会をしていた先生が、マイク越しに「相良先生、もう少し何か」と困ったように言ったので、しばらく考えた先生が「…双子座です」と付け加えたのだ。


そんな先生にハートを射抜かれた女子はわんさかいたけれど、女子はそもそも文系の人が多く、さらに地学の試験の枠もあまりなかったから、限られた女子しか先生との接点は持てなかった。
ちなみに私は、その「限られた女子」だから、ちょっと優越感を抱いてたりする。


「先生、」
「なんだ」

「恒星ってやっぱり、輝いてるんですかね」