* 「せんせー、今日、双子座の恋愛運、一位らしいですよ」 「そうか」 「何かいいことありましたか?」 「いや、別に」 理科準備室、段ボール箱の山、白衣で無愛想な先生。 いつもの光景だ。 私は今日も、誰にも言えない片想いをしている。 「じゃあ、これからあるかもしれないですね」 「さあな」 会話は続かない。 せっかく今日は、星座占いが話すきっかけになる!って喜んでたのに。 …やっぱり、ここにいるの、迷惑かなぁ。 「先生、」 ――すきです。 「自習、進みません」