グサッ 黒瀬さんの言葉が 胸に突き刺さる。 そ、その通りです。 「俺と付き合うフリするの いい機会になるんじゃない?」 何か変わるかもよ。 黒瀬さんはそう言って、 灰色がかった髪を掻き上げた。 「確かにそうかも」 それに偽りの関係とはいえ 憧れてたリア充に なれるんだもんね。 周りに嘘つくのは 気が引けるけど… 「俺は女避けになるし 君は恋愛体験ができる。 それってすげえウィンウィンじゃん?」 それが黒瀬さんの為に なるのなら 必ずしも悪いことじゃないよね?