私の声は届いていないのか 彼女は階段を駆け上り 屋上のドアを勢いよく開け 飛び出していく。 屋上から見える空は 青く澄み切っていて 遠くには入道雲が見える。 「まってよ」 私は肩で息を切らしながら、 彼女に近づく。 彼女は頬を赤くし 「来ないで」と言いながら 後ずさる。 彼女の背後に 屋上のフェンスが見えて 私は足を止めた。 話をしたい。 ちゃんと―― 「何で逃げるの」 私の問いに答えず 彼女はフェンスをよじ登り 反対側へ行ってしまった。