破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします

バナナや桃などの水溶性食物繊維を多く含むフルーツは使う量を多くするほどとろみが強くなる。

対してりんごやオレンジなどの不溶性食物繊維を多く含むフルーツはさらっとした食感を引き出すのだ。

今回は飲みやすくする為にバナナの量を少なめしているが、それでもとろみは感じられるようになっている。


「朝食代わりにスムージーを飲むなら、とろみを強くすると腹持ちがよくなっていいんだよ」

「へぇ~! それなら今度は朝に飲みたいな!」

「わかった。じゃあ今度別のフルーツも調達して作ってみるね」

「やったー! 楽しみ!」


ヨーグルトはもうないが、ミルクや豆乳が売っていればそれを使って作ろうと考え、スムージーを味わうノアに「ザックにも渡してくるね」と告げて、隣の部屋へ向かった。


「ザック、起きてる?」


ノックの後に声をかけると、扉はすぐに開いた。

こちらも入浴後だったようで、髪が少し湿っている。


「なんだ?」

「グリーンスムージーを作ったの。疲労回復効果があるから、苦手じゃなければどうぞ」

「すむぅじい?」

「野菜や果物を使ったジュースよ」


ザックは「へぇ」と言いながらアーシェリアスの手からグラスをもらうが、あることに気付いてハタと動きを止める。