見上げると、赤と黒のツートンカラーの髪がまず目に入る。
次いで視界に飛び込んできたのは、右の黒目あたりで分け横に流された前髪の下にある男性が憧れそうな端正な顔立ち。
出で立ちをよく見ると、立派な鎧を纏い、ファーレンの王立騎士のみが付けることが許される勲章が逞しい胸元に飾られている。
(ファーレンの騎士……ということは、アルバートと知り合いかもしれない)
元婚約者のアルバート。
目の前の騎士はアルバートと年も近そうだ。
せっかく折った破滅フラグを復活させるきっかけになると困るので、アーシェリアスはそっと騎士とすれ違う。
その間際、騎士が店主に声をかけたのが耳に入る。
「主人、マンゴーはあるか?」
「申し訳ないね。いまさっき売れきれちまったよ」
「なんだとっ!?」
ショックが大きかったのか、比例するように声を張り上げた騎士に、アーシェリアスは驚き肩を跳ねさせた。
「そうか……残念だ」
かと思えば、今度はしょんぼりと落ち込んだ声が聞こえてきて、アーシェリアスは袋の中に見えるマンゴーに視線を落とした。
そして、振り返って騎士へと歩み寄る。
次いで視界に飛び込んできたのは、右の黒目あたりで分け横に流された前髪の下にある男性が憧れそうな端正な顔立ち。
出で立ちをよく見ると、立派な鎧を纏い、ファーレンの王立騎士のみが付けることが許される勲章が逞しい胸元に飾られている。
(ファーレンの騎士……ということは、アルバートと知り合いかもしれない)
元婚約者のアルバート。
目の前の騎士はアルバートと年も近そうだ。
せっかく折った破滅フラグを復活させるきっかけになると困るので、アーシェリアスはそっと騎士とすれ違う。
その間際、騎士が店主に声をかけたのが耳に入る。
「主人、マンゴーはあるか?」
「申し訳ないね。いまさっき売れきれちまったよ」
「なんだとっ!?」
ショックが大きかったのか、比例するように声を張り上げた騎士に、アーシェリアスは驚き肩を跳ねさせた。
「そうか……残念だ」
かと思えば、今度はしょんぼりと落ち込んだ声が聞こえてきて、アーシェリアスは袋の中に見えるマンゴーに視線を落とした。
そして、振り返って騎士へと歩み寄る。



