青空の下、賑やかな昼食の風景。

甘辛いきんぴらライスバーガーを食べながら、ノアはふと声を零す。


「お母さん以外の誰かとこんな風に食べるの久しぶりだなぁ」


意図して話したわけではなかった。

本当に、するりと言葉が零れ落ちたのだ。

アーシェリアスとザックが目を丸くして自分を見つめていることに気付き、ノアは我に返る。


「ほ、ほら、ボクって変わり者らしいから」


ノアは物心ついた頃からまともに友達もできず、十年前に漁に出た父が帰らず亡くなってからはひとりで食べるか母と食べるかしかなかった。

寂しくなかったわけじゃない。

だから、今こうしてアーシェリアスたちと一緒にご飯を食べていることがとても嬉しいのだ。

苦笑し、居心地悪そうにしているノアを見て、アーシェリアスは優しく微笑む。


「私はまだノアちゃんと会ったばかりだからどんな人か詳しくは知らない。でもね、変わり者だとしても、またこうしてノアちゃんとご飯を食べれたらいいなと思ってるよ」


「ね、ザック」とアーシェリアスが同意を求めると、ザックも「ああ」と頷いた。

優しい言葉を受け、ノアは瞳を潤ませる。

そして、アーシェリアスたちならば、自分を受け入れてくれるのではないかと強く感じた。

カーシーが友達だと話した時も、疑ったりバカにしたりしなかったのだからと。