「お姉さんっ、これは何? サンドイッチじゃないよね?」

「みたいなものかな。パンの代わりに焼いたお米を使ってるの。具はゴボウと人参に味付けをして炒めたものよ」


食物繊維が豊富なゴボウは女性の身体には嬉しい野菜。

ノアの身体の役にも立てるだろうと思ったのだが、ノアの関心はきんぴらよりもバンズに向いていた。


「お米って、こんなふうにして食べれるんだ……」

「これはつなぎに片栗粉を使ってるんだけど、おにぎりを握るみたいにギュッとして形を作ってあるの」

「かた、くりこ?」


不思議そうに首を捻るノアに、シーゾーからもらったものだと説明すると長くなるので「小麦粉の仲間なの」と教える。


「へぇ~」

「アーシェ、おかわりしたい」


ザックがもうひとつ欲しいと手を伸ばし、アーシェリアスが籠からひとつ出して渡す。


「まだあるから、ノアちゃんも遠慮なくおかわりしてね」

「いらないなら俺がもらう」

「ザックは遠慮してもいいよ。シーゾー、もうお腹いっぱいなの?」

「モフ」