「巻き込んでごめーん」

「いや、ごめーんて謝るにしては軽すぎない!?」

「そう? でも、早とちりしたのはそなただし」

「あの状況で、あ、この人神さまだから助けなくて大丈夫だわなんて判断でるわけないから!」

「確かに〜」


勢いよく起き上がって突っ込みを入れられアハハと楽しそうに笑う神さま。

マイペースすぎて、莉亜は若干イラッとさせられたが、ここで怒りをぶつけても状況が変わるわけではないと悟り、冷静になろうと息を深く吸い込んだ。


「それで……私はここに連れてこられて何をするの?」


まさか神さまの仲間入りでもするのだろうか。

それとも召使いとして働くことになるのか。

もしくは天国と地獄、どっちに行きたいかを選べる特典がつく?


(いや、それなら天国一択でしょ)


様々な予想を脳内で繰り広げていると、神さまは笑みを浮かべて言った。


「お詫びに、次の人生は好きな世界に生まれ変わらせてあげようではないかー」

「好きな、世界?」

「そう。また同じ世界の日本でもいいし、外国でもいい。過去の時代に生まれ変わりたければそれも可能だ。そなたのいた世界ではない、異世界もまた然り」

「え? つまり、どんな世界でも選びたい放題ってこと?」


思わず身を乗り出すように問うと、神さまはうんうんと二回頷く。

その返答に、莉亜の頭に思い浮かんだのはひとつの作品だ。