コンプレックスがあるから見ないでほしいというのならわかるが、意識してくれるかという言葉にどんなことが含まれているのか想像もつかず、アーシェリアスが首を捻り、振り返って意味を問おうとした時だ。

ノアのブラウスの前身頃が開かれ、胸が露わになったのだが。


「……ん?」


そこに、あるべきふたつの膨らみがなく、アーシェリアスはさらに首を傾ける。

自分の胸がどちらかといえば貧相であることはザックにも遠回しに……いや、ある程度わかりやすく言われるほどで承知しているが、それでも膨らみがないわけではない。

しかし、目の前のノアには全くといっていいほど膨らみは見られないのだ。

そう、まるで男の子のような胸板があるだけ。


「……男、の子?」


自分の心の声に疑問を持ったアーシェリアスが自然と声に出す。

すると、脱いだブラウスを籠に入れたノアがにっこりと微笑んだ。


「正解でーす! やっと気づいてくれたね、アーシェ。本当は裸見なくても意識して気付いてほしかったけど、ボクって超可愛いししょうがないよね~」


ウフッと両手の人差し指を頬に当ててかわいこぶるノアだが、アーシェリアスは絶賛混乱中だった。